妊娠中にお墓参りをしてはいけないって本当?

お墓参りやお葬式には難しさを感じる方が多いようです。「服は喪服」からはじまって、メイクや作法に香典など、場に合ったルールが存在しています。そんなルールを「難しい」と感じると共に「恥をかいたら大変」とハラハラします。

 

毎日のようにしているお仕事や生活習慣なら自分の中にプロセスができ上がっていますが、お墓参りや葬儀は日常的なものではありません。いざお墓参り。いざ葬儀。予定が決まってから慌ててルールを調べて、頭の中で予行練習することはありませんか。

 

頭の中で予行練習しても、なかなか現実ではできないもの。お墓参りや葬儀のマナーやルールは、普段から豆知識として蓄積しておき、いざという時に困らないようにしておくことが大切です。今回はお墓参りのマナーの豆知識として、妊娠中のお墓参りについてお話します。

 

「妊娠中にお墓参りしてはいけない」という噂が流れています。これって本当なのでしょうか。女性は特におさえておきたい、妊娠中のお墓参りNGの真偽についてお答えします。

妊娠中にお墓参りしてはいけないの?

「妊娠中にお墓参りをしてはいけない」という言葉をこの記事ではじめて知った方は、おそらく「え、そうなの!?」と驚いたのではないでしょうか。

 

現在は、お墓や葬儀は昔に比べてかなり柔軟になってきています。墓石も必ずこの形でなければいけないということはなく、ハート型やゴルフボール型など、故人や親族の価値観や嗜好に合わせて多種多様です。お墓参りも、必ず生花でなければいけないというルールはなく、環境への配慮やお墓参りの頻度に合わせ、柔軟にプリザーブドフラワーや造花なども使われるようになりました。

 

しかし、柔軟になったからといって好き放題にしていいというわけではありません。お墓は「公共の場」でもありますから、一定のルールやマナーは必要になります。

 

また、お墓は生死の関わる場所ですから、一種のタブーのようなものも存在します。例えば「黄昏時はあの世とこの世が混ざるからお墓参りは控えよう」といった、日本固有の考え方に根付いた、お墓参りのタブーがあります。現在はそこまで気にする人も少なくなっているのですが、ルールやマナー、タブーには成立に至った意味があるからこそ、できる限り守りたいものです。

 

では、妊娠中のお墓参りはどうなのでしょうか?

「妊娠中のお墓参りはどうなの?ダメって本当?」という疑問や噂があるということは、噂が流れるに至った経緯や、タブーやルールがあるからではないでしょうか。特に女性は心配してしまいますね。

 

結論からお答えすると、妊娠中のお墓参りはまったく問題ありません。妊娠中にお墓参りできるなら、お墓に眠る親族へ子供の成長を願って手を合わせてみるのも、素敵なことではないでしょうか。妊娠中のお墓参りはNGでもタブーでもありません。「妊娠中だからお墓参りを控えた方がいいのかな」と不安を覚えた女性の皆さんは、体調に配慮をいただいた上で、気になさらずお墓参りをなさってください。

 

妊娠中のお墓参りは問題なし!

 

これが結論です。

 

なぜ妊娠中にお墓参りしてはいけないと言われるようになったの?

そもそも、「妊娠中お墓参りに行ってはいけない」という噂はどこから登場したのでしょうか。実はこの妊娠中お墓参りNGは、一昔前の日本ではよく言われていたことなのです。妊娠中にお墓参りを控えるように言われていたのは、次のような理由があったからです。

妊娠中のお墓参りで病気感染のリスク

昔、日本は土葬でした。病気で亡くなった方も現在のように火葬せず埋葬していたため、お墓参りで病気に感染する危険がありました。ですから、妊娠中にお墓参りをすると母子ともに病気にかかって亡くなる可能性があるとして、妊娠中はお墓参りしない方がいいという思考がありました。現在は基本的に火葬です。火葬によりお墓での病気感染リスクはかなり低いものになっています。

 

昔はお墓へのお供えをそのままにした結果、獣や鳥がお供えを食い荒らして糞をする等、公共衛生や臭いの面で問題視されていました。お供えは持ち帰る、すぐに処分する等の対策が取られるようになったため、お墓は衛生面でも綺麗な場所になっています。したがって、昔のように「病気リスクや衛生面の問題から妊娠中のお墓参りは駄目」ということはありません。

妊娠中のお墓参りは子供を取られる?

妊娠中にお墓参りをすると、墓地にいる妖怪や悪霊に子供を取られるという伝承がありました。お墓は生死の関わる場所だったため、時刻や天候、地域によっては「悪いものが存在する」と考えられていたようです。そのため、お腹に鏡を入れて悪いもの(子供を取ろうとするもの)を跳ね返すようにしてお墓参りをするなど、現在も昔ながらの風習が残る地域があります。

 

地域の風習として残っているなら、妊娠中のお墓参りに取り入れてみるのもいいでしょう。

立地や体調面でのリスクから妊娠中のお墓参りを控える必要も

お墓の立地や体調によって、妊娠中のお墓参りを控えた方がいいケースもあります。例えば、悪阻が酷い場合や、陣痛が酷い場合は、妊娠中のお墓参りがNGではなくても、体調面を考えてお墓参りを控えた方が無難です。医師から「あまり動かないように」「安静にしていてください」などの注意があった場合も、無理にお墓参りをする必要はありません。

 

また、体調が安定していても、お墓の立地によっては妊娠中のお墓参りを控えた方が無難なケースがあります。

 

例えば、お墓が山の斜面にあって、急勾配が続くという立地。お腹に赤ちゃんがいると、坂道は辛いものです。また、お墓に段差が多い場合や、道が舗装されておらず木の根があちこちに突き出しているという場合も、妊娠中は立地的な意味でお墓参りを控えた方が無難です。転んだら大変ですから。

 

妊娠中のお墓参りは特に問題ありませんが、無理をしてまでお墓参りをする必要があるかというと、そうではありません。お盆やお彼岸に体調が悪い、足許が不安だという場合は妊娠中のお墓参りを控え、出産後に落ち着いたらお墓参りをする方が安心です。無理は禁物ですよ。

最後に

妊娠中にお墓参りすることは、まったく問題ありません。マナー違反でも、ルール違反でもありません。ただ、昔は病気や伝承の面から妊娠中のお墓参りは望ましくないという考え方があり、その考え方が今日まで残った結果「妊娠中のお墓参りは控えた方がいいのではないか」という噂に繋がりました。妊娠中にお墓参りしたからといってルールやマナー違反として怒られるわけではありません。ご安心ください。

 

ただし、お墓の立地や体調面を考えて妊娠中のお墓参りを控えた方が望ましいケースがあります。妊娠中のお墓参りは、自分の体調やお墓の周囲の状況を考え、無理のない範囲で行いましょう。