心を込めて…今更誰にも聞けないお線香に関する知識

お墓や仏壇に手を合わせる時、多くの人はお線香をあげることに疑問を持ちません。なぜなら、お墓や仏壇にお線香をあげることは「日常の中で当たり前になっているから」です。

 

葬儀店だけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも線香が販売されています。コンビニで販売されているあたり、線香は「当たり前の日用品」という印象ではないでしょうか。朝起きて線香に火をつけて仏壇に手を合わせる。実家や祖父母の家でそんな光景を目にして育った方もいるはずです。当たり前の生活の中に「お線香」があるのです。

 

しかし、そんな線香にどんな意味があるのかを、日常の中で考える方は少ないのではないでしょうか。お線香の知識を必要に応じて語ることのできる方はどのくらいいらっしゃるのでしょう。どうして仏壇やお墓にお線香をあげるのか、皆さんは知っていますか。疑問に思うことはありませんか。

 

どうしてお墓や仏壇にお線香をあげるの?

お線香にどんな意味があるの?

 

今更誰にも聞けないお線香の知識を解説します。

知っておきたいお線香をあげる3つの意味と知識

そもそも、どうして仏壇に手を合わせる時や、法要の時、お墓参りの時などにお線香を使うようになったのでしょうか。お墓参りといえば「お線香の用意はしましたか?」と言われるくらい、お線香とお墓参りはワンセットという知識と印象があります。どのような意味があってお線香が使われるようになったのか、まずは3つのポイントでお線香知識を深めましょう。

線香の知識1「死後は香りを食す」

人間は死後にご飯を食べることができません。大好物だった天ぷらも、ステーキも、死んでしまうと食べることができないのです。では、代わりに何を食べるのかというと、それは・・・香り。死後は良い匂いを食すという話があるのです。

 

亡くなった人は、生きている人間と同じものを食べることはできません。そして、同じように洋服を着ることはできません。だからこそ、亡くなった人の食べ物として良い匂いのする線香を供え、故人の衣服になるように花を供えるという逸話があります。地域や宗派によって考え方が異なってくることもありますが、故人を想って故人の好きな香りを供え「喜んでくれるかな?」と想像するのもいいものです。

 

線香の信仰的な知識がなくても、売り場で故人の好きだった香りを、思いやりから購入することも、また、良いことではないでしょうか。ふと香る線香に、故人との楽しい思い出が蘇ることでしょう。

線香の知識2「生者を香りと煙で清める」

塩はよくお清めに使われます。同じく線香もお清めに使われることを、知識として知っておきたいものです。

 

お線香の香りと煙は、塩と同じく生者を清める効果があると言われます。お墓参りや法要、仏壇に手を合わせる時などに、真っ先に線香に火をつけるのはそのためです。先に線香に火をつけて、心や体を清めてから法要をはじめ、手を合わせるのです。

 

お店ではお清め用の線香という商品は販売していません。香りや価格に関わらず、お墓参りや法要に使うお線香には「お清め」の効果があると信じられています。

線香の知識3「仏様との対話」

お線香の知識として知っておきたい三つめは、「お線香は仏様との対話である」というお線香の知識です。普段、意識しなければ「どうして対話になるの?」と思ってしまうようなお線香の知識ではないでしょうか。

 

お線香をあげることにより身を清めます。そして、お線香の香りや煙は故人の食べ物になります。食べ物になるということは故人のところまで「お線香の香りや煙が届いている」ということでもあります。香りや煙に気持ちを載せると、仏様のところまでその気持ちが届くというわけです。

 

お線香の煙は、空へと昇る糸のように見えます。故人と糸電話しているように感じませんか?

お線香をあげる時の知識

お線香のマナーは、宗派によって異なっています。普段、お墓参りをする時や仏壇に手を合わせる時は、あまり宗派について気にしていないのではないでしょうか。「必ずこの通りにお線香をあげないとマナー違反なのでNG」ということはありません。

 

お線香をあげる意味でもお話したように、お線香には「気持ち」が大きく関わります。ですから、一番大切なのは宗派ごとのマナーを絶対に守ることではなく、何よりも気持ちを込めてあげることが大切なのではないでしょうか。気持ちを大切にした上で線香の知識を深め、宗派によるあげ方の違いを意識してみてはいかがでしょう。

 

浄土真宗では、一本のお線香を数本に折って、寝かせて供えます。天台宗や臨済宗では特に供え方の決まりはありません。浄土宗では一本から三本を寝かせるか、立たせて供えます。日蓮宗では同じく一本から三本ですが、こちらは立てて供えます。真言宗では三本立て、曹洞宗では一本立てます。

 

宗派ごとのお線香の知識は、「本数」と「立てるのか、それとも寝かせるのか」に注目すると覚えやすくなります。

 

お線香の消し方のマナーと知識

もう一つ、お線香の知識として覚えておきたいのは、お線香の消し方の知識です。お線香は息を吹きかけて消すのはマナー違反です。手でぱたぱたと仰いで消すことも避けたいもの。では、どうやって消せばいいのでしょう。何か方法があるのでしょうか。

 

消す方法は簡単です。お線香を垂直(火がついている方を上)に持ち、一気に真下へおろします。上手くいくと、火がふっと綺麗に消えてしまいます。

 

なかなか上手くできないという場合は、最終的に折っても仕方がありません。火傷しないこと、火事にならないことが重要です。ただ、お線香には綺麗に消す方法がきちんとありますので、日常の中でちょっとずつ練習してみてもいいのではないでしょうか。

最後に

線香の知識について解説しました。日常の中で、お墓や仏壇に「お線香をあげる」ということを、当たり前のようにやっています。特に疑問に思わないほど日常に馴染んだお線香について、知識を深めていただくことができたでしょうか。

 

日常の中の当たり前のことも、調べてみれば面白いものです。最近は仏壇やお墓にあげる線香も、色々な匂いや色のものが登場しています。せっかく線香の知識を深めたのですから、この機会に、線香知識のおさらいとして売り場を覗いてみてはいかがでしょうか。さらに線香に対する興味と知識が深まることでしょう。